Xiaomi Smart Band 10は買いか?睡眠・装着感・アプリの実力を正直レビュー

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ワタソン

私は睡眠トラッキングと日常の快適さを求めて、これまでスマートバンドを愛用してきた。

Xiaomiから2014年に初めて発売された「Mi Band」から数えて、今回の「Xiaomi Smart Band 10」は10世代目となる。11年という長い時間をかけて進化してきたスマートバンドが、2025年の今、どんな体験をもたらすのか。

実際に使ってみて感じたことを、正直に(特に睡眠に重点をおいて)レビューしていく。

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デザイン

購入したのは「シルバー」の通常モデル。他にはミスティックローズ、ミッドナイトブラック、Ceramic Editionのパールホワイトがある。

電源を点けて最初に気づいたのは、ベゼルの細さ。画面占有率は前モデルのSmart Band 9比で7%増加している。前モデルは祖父に譲ったため手元にないが、画面の大きさとベゼル幅の変化は十分に実感できる。

フレームはアルミニウム合金で、強度と高級感を兼ね備えている。ボタンは今回もなし。バンドはクイックリリース対応で、Smart Band 8以降の本体と互換性がある。

素材はTPU(Ceramic Editionはフッ素ゴム)で、バンドは穴に通してボタンで留めるタイプ。さらさらとした触り心地だが、耐久性については長期間使ってみて再度確認したい。

ディスプレイは1.77インチで、端が少しラウンドしている。常時表示(AOD)も明るさが自動で調整(写真では暗いが)されるようで、実用的だと感じる。

実際の使い心地

まず、着脱のしやすさについて。正直、使っていて不満が残る。TPU素材同士で摩擦が生じ、スムーズに着脱しづらい。TPUからフッ素ゴムに変更するか、Huaweiのようにプラスチックのバックルを採用した方が良さそうだと感じた。以前レビューしたRedmi Watch 5も同様で、Xiaomiの付属バンドはやや使いづらい印象がある。

フィット感はそこそこだが、Huawei Band 10と比べるとやや劣る。

画面は前モデル比で拡大したこともあり、通知などの一覧性が向上している。操作性も良好で、60Hzのリフレッシュレートによる滑らかな描写、応答性の高さも印象的。数世代前のスマートバンドを使っているユーザーなら、その進化に少し驚くかもしれない。

ちなみに、通知の絵文字は表示には非対応(◻︎で表示される)。

ウィジェットの追加や入れ替え、通知ごとの振動パターン変更など、細かな設定も可能になった。ソフトウェアの作り込みも進化している。

明るさは1200から1500 nitsに向上。実際に日差しの下で使ってみても、かなり明るく視認できた。Huawei Band 10 の画面輝度は公表されていないが、Xiaomiの方がわずかに明るく見える。

睡眠測定に使ってみる

実際にスマートバンドを装着したまま寝てみた。今回はXiaomi Smart Band 10、Huawei Band 10を同時に装着し、それぞれの測定結果と感じたことをまとめる。

実際に2本同時に装着して寝てみたが、どちらも顕著な不快感はなかった。どちらかと言えば、装着感はHuawei Band 10が一歩リードしている印象だった。

高度な睡眠モニタリングを全てのモデルで有効にしてデータを取得。Smart Band 10で確認できるデータは、REM・浅い・深い・覚醒などの睡眠段階、呼吸のスピード、心拍数、睡眠効率など。今回新たに追加された「睡眠効率」は、ベッドにいた時間と実際の睡眠時間を表示してくれる。

実際の測定結果は、睡眠時間7時間35分、睡眠スコア86、平均心拍数59、呼吸スピード15。睡眠効率は99%。

ベッドに入った時間と入眠まで、起床までの覚醒時間も記録される。データに基づくアドバイスは一般的な内容が多く、特別な気づきはなかった。

おまけにRedmi Watch 5も測定してみたところ、睡眠スコアは86でDeepの割合がやや多かった。平均心拍数と呼吸スピードはSmart Band 10と同じ。

Huawei Band 10は睡眠時間7時間24分、スコア88、平均心拍数56、呼吸数15と、全体的に近い結果だった。睡眠効率が見られる点はSmart Band 10ならではの特徴だと感じた。

体感と睡眠スコアのズレも少しあった。目覚めはあまり良くなく、疲労感も残っていたため、実感に対してスコアはやや高めだった。

一夜の睡眠で消費したバッテリーは、Smart Band 10が2%、Huawei Band 10が4%、Redmi Watch 5が2%だった。

それぞれの精度に大きな違いはみられないが、装着感はやはりHuaweiが良い。

アプリの使いやすさ

Mi Fitnessアプリは、UIがシンプルで直感的に操作できるのが特徴。歩数や睡眠、心拍数、ストレスなど主要なデータがホーム画面にまとまっており、グラフ表示も見やすい。睡眠レポートでは深い/浅い/REM/覚醒の推移や呼吸スコアも確認できる。

複数デバイスの切り替えも「デバイスタブ」から簡単に行えるが、複数端末で同時にデータを取得する場合は記録が上書きされる仕様なので注意が必要。

ウォッチフェイスの変更もアプリから手軽(フェイスダウンロード後はバンド本体でも切り替え可)。

種類も豊富で、通知やアラーム、バイブパターンのカスタマイズも細かく設定できる。健康管理はあくまで目安だが、生活習慣の改善や日々の記録には十分役立つ印象だった。

必要に応じて、iOSのヘルスケアアプリやAndroidのGoogle Fit/ヘルスコネクトとデータを同期することもできる。

前世代から乗り換えるべきか

正直なところ、Xiaomi Smart Band 10は前モデルのSmart Band 9から大きく変わった印象はなく、いわゆる“マイナーチェンジ”という位置づけだと感じている。ディスプレイの明るさやウィジェットの自由度など細かい進化はあるものの、使い勝手や測定機能、バンドの質感など、基本的な部分は9と大きな差はない。

そのため、すでにSmart Band 9を使っている場合は、あえて乗り換える必要はほとんどないと思う。一方で、8以前のモデルを使い続けているなら、画面の見やすさや操作性の向上、細かな設定の幅広さなど、変化を実感できるポイントはあるはずなので、検討してみても良いかもしれない。

初めてスマートバンドを使う人や、しばらく買い替えていなかった人には、現行モデルとして十分選択肢になる一台だ。

まとめ

Xiaomi Smart Band 10は、日常の活動記録や睡眠トラッキングなど、スマートバンドとしての基本はしっかり押さえている。一方で、前モデルからの大きな飛躍はなく、実際に使ってみても“9の延長線上”という印象が強かった。

バンドの着脱性やフィット感には相変わらず課題が残るが、ディスプレイの見やすさや操作性、アプリ連携の使い勝手は安定している。「新しい体験」を求めているなら物足りなさもあるが、8以前からの買い替えや初めてのスマートバンドとしては、安心して選べるモデルだと感じた。

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