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「紙の書き心地」と「デジタル」が見事に融合されたカラー対応電子ペーパータブレット「reMarkable Paper Pro」。他のタブレットとの決定的な違いである、distraction-free(気が散らない)環境を提供するツールです。
今回は、そんな究極の紙体験を実現する「reMarkable Paper Pro」を数ヵ月つかって感じた良いところ・気になるところをシェアしていきたいと思います。
reMarkable Paper Proって?
このデバイスを全く知らない方もいると思うので、このセクションで簡単に紹介します。
reMarkable Paper Proは、ノルウェー発の「紙の書き心地」と「デジタルの使いやすさ」を融合したカラー対応の電子ペーパータブレットです。
書くことや読むことに集中できるシンプルな設計で、目が疲れにくく、ペーパーレス化にも最適。カラー対応なので図やイラストの描画がしやすいのも特徴です。
この記事でわかること
- reMarkable Paper Proの主な特徴とスペック
- 実際に使って感じたメリット・デメリット
- マーカーやケースなどアクセサリの選び方
- 長期間使用して変わった習慣や具体的な活用シーン
- おすすめの購入先
本体の薄さと高級感が魅力
なんといってもハードウェアの高級感がとても良い。
フレームと背面はアルミニウム製で、フレームには滑らかな窪みがあります。
ディスプレイは特殊加工されたガラス製で、カラー対応のE Ink Gallery™ 3を搭載。アンチグレアなディスプレイであるため、照明や日光下においてもギラつかず視認性は抜群。
11.8インチの大型ディスプレイで、A4ノートくらいの表示領域があります。ただ、ベゼルがあるため本体のサイズ自体はA4よりひとまわり大きいです。
厚みは4.7mmで、タブレットとしてはかなり薄いです。ケースを付けるとそれなりに厚みは増すものの、リュックにすっぽり収まって気持ち良し。
アクセサリについて
筆者が購入したアクセサリはMarker PlusとBook Folioの2点。
Marker Plus
まず、Markerは消しゴム機能があるものと無いもので2種類あって、MarkerとMarker Plusで分かれています。
Marker Plusの使い勝手は概ね良好です。ただ、ペン先をひっくり返す動作が少し煩わしく、結果的に消しゴムはあまり使わなくなってしまいました。
正直なところ、画面左側にある消しゴムツールに切り替えるか、Undo(やり直し)機能があるだけで十分だと思いました。
よって、Marker Plusは「紙の体験に最大限に近づけたい人」にはおすすめ。
必須なオプションとは言えず、標準のMarkerに+8,000円の追加料金がかかることも考慮して検討したいところです。
Book Folio
そして2点目のFolioには、キーボード機能付きのType Folioとケース機能のみのBook Folioの2種類があります。
reMarkableは今のところ日本語に対応していない(詳細は後ほど)ため、日本語をメインに扱うユーザーにとってType Folioは不要です。
Book Folioにはいくつか種類がある中、筆者はMosaic weaveのBasaltカラーを選びました。
布製でありながらも作りはしっかりしていて、耐久性には期待できます。ただ、毛羽立ちは少し目立ってきたかも。
ペンを留めるためのホルダーがあったり、磁石で着脱できる点が便利で、特に頻繁に持ち運んで使う人におすすめしたいアクセサリーです。
ちなみに、筆者が選んだMosaic weave以外にも、Premium leather、Polymer weaveがあります。
使用感と機能
書き心地に関しては、まったく文句なしです。
遅延も12msでほぼ感じず、書き味はまさに紙のよう。コントラストも十分で、カラーも意外と鮮やかに描写されます。
機能的な側面では、ファイルのタグ付け管理、クラウド同期(Google Drive、OneDrive、Dropboxにも対応)、ePubやPDFの閲覧・書き込みなどがあります。
書くことにフォーカスされているので、エンタメな機能はありません。
フロントライトも搭載されているので、暗所での作業も可能です。
先述しましたが、日本語非対応であるため日本語のePubやファイル名は豆腐(▢)の表示になってしまうので、その点には注意。(開発者モードで日本語フォントを導入する方法があるようです。気になる方は検索してみてください。)
基本的には、日本語の記事や雑誌などをreMarkableで読みたい場合、ePubではなくPDFを転送する必要があります。
PDFでも日本語のファイル名は豆腐になりますが、ファイルの中身は問題ありません。
Web記事やPDFをreMarkableで読みたいときは、ブラウザの拡張機能「Read on reMarkable」を使えば2ステップで転送可能。これが本当に便利。
転送したいページを開いて、拡張機能のアイコンをクリックし送信するだけで、すぐにreMarkable本体で読めるようになります。
筆者はたまにPDF版の新聞などをreMarkableで読みますが、ディスプレイの解像度も高いのでそこそこ読みやすいです。
文字が小さいときはピンチインで簡単に拡大できます。
他デバイスとの違いは「E Ink Gallery™ 3搭載」
Kindle Scribeなどの他の電子ペーパータブレットとの違いは、最新のE Ink Gallery™ 3搭載していること。
電子ペーパータブレット市場では、今のところreMarkable Paper Pro以外には採用されていません。(近いうちに同ディスプレイを採用したKindleなどが出るかも)
描写にはやや遅れがみられますが、色表現は従来のディスプレイより自然で、色で線を引いたり情報を整理する人にとってはありがたい。
逆にいうなら、カラー表示が必要ない人にとっては少し過剰な製品かもしれません。
良いところ・気になるところ
ここで、数ヵ月つかって見えてきた良いところ・気になるところを箇条書きでシェアします。
良いところ
- 書くことに集中できる
- 紙に近い書き心地で情報整理が容易
- カラー対応で視覚的な整理も可能
- フロントライトがある
- OSアップデートがこまめ(1~3ヵ月くらいのペース)に配信される
気になるところ
- カラー表示時のリフレッシュがやや遅い
- 日本語に非対応
- 本体が少し重い(525g)
reMarkable Paper Proはこんな人におすすめ
このタブレットは以下のような人に向いています。
- 自然な書き心地のタブレットが欲しい
- 書くことに集中したい
- カラー表示が欲しい
- 日ごろから紙を扱う
遅延や書き心地など細かな違いはありますが、モノクロのみ対応の電子ペーパーディスプレイは、カラー対応のものより選択肢が多いです。
「カラー表示いらないな…」という方は、reMarkable 2、BooxやKindle Scribe、Supernoteなどのラインナップを検討してみてください。
長期使用で変わった習慣
長い間使ってみて、筆者の習慣がどう変わったのかもシェアします。
ストレスの軽減
iPadやAndroidタブレットに比べて、アプリや通知がないため、余計な情報に振り回されることがほぼ無くなった。書くことや読むことに集中できるので、疲労感が減り、気持ちのリセットがしやすくなりました。
夜間の活用がラク
フロントライトがあるため、暗い場所での作業やPDFの閲覧も問題なくこなせます。目の負担を感じにくく、夜に目が冴えすぎてしまうこともあまりありません。
(フロントライトの色温度を変更できないのは惜しい)
手書きアイデアの質が向上
紙に近い書き心地ゆえ、頭の中で考えたことを素早く書き留めやすいです。後から色分けをしてアイデアを整理したり、メモをスクラップする工程もすべてデジタルでできるため、大量のメモを持ち歩く必要がなくなった。
日記を書く習慣がついた
何か思いついたらreMarkableのクイックシートを開いて、その瞬間にすぐ書き留められるので、「メモやノートを取り出して書く」のと大差ない体験です。
筆圧やペン先がリアルに近く、書いていて楽しいというのもポイント。
こうした小さな変化の積み重ねにより、タスク管理やアイデア整理が一段とスムーズになり、集中して思考を深める時間が増えました。紙と同じ感覚で使えて、しかもデジタルの利便性も享受できるのは大きな魅力。
具体的な活用シーン
筆者は完全に私的な用途ですが、仕事や学校で使う人ならもっと活用できるのかなと思います。
具体的には、「大学の講義ノートとして使う」や「デザイナーなどの職業で手書きメモを多用する」方など。
ビジネスパーソンであれば「会議中にメモ→そのままPDFで共有・保存」したり。
reMarkableの画面をPCに投影する機能もあるので、プレゼンやブレインストーミングにも活用できそう。
書くことや読むことに集中できる電子ペーパーデバイスとして、非常に優秀です。
iPadやAndroidタブレットなどを仕事や勉強に使用している人は、reMarkableなどの電子ペーパータブレットをぜひ検討してみてほしいです。
購入は公式ストアがおすすめ
価格は99,800円からで、reMarkable公式サイトから購入できます。日本配送にも対応しており、日本円での決済が可能です。
香港から日本まではDHLで配送され、日本での配達は佐川急便などが対応しているそうです。筆者の場合、購入から配達までの所要日数は7日程度でした。
以上、参考になれば嬉しいです。