「reMarkable Paper Pro」レビュー。数ヵ月つかって感じたこと

紙のような書き心地を実現したカラー電子ペーパータブレット
Review
ワタソン
2025-01-27

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「紙の書き心地」と「デジタル」が見事に融合されたカラー対応電子ペーパータブレット「reMarkable Paper Pro」。他のタブレットとの決定的な違いである、distraction-free(気が散らない)環境を提供するツールです。

今回は、そんな究極の紙体験を実現する「reMarkable Paper Pro」を数ヵ月つかって感じた良いところ・気になるところをシェアしていきたいと思います。

reMarkable Paper Proって?

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このデバイスを全く知らない方もいると思うので、このセクションで簡単に紹介します。

reMarkable Paper Proは、ノルウェー発の「紙の書き心地」と「デジタルの使いやすさ」を融合したカラー対応の電子ペーパータブレットです。

書くことや読むことに集中できるシンプルな設計で、目が疲れにくく、ペーパーレス化にも最適。カラー対応なので図やイラストの描画がしやすいのも特徴です。

この記事でわかること

  • reMarkable Paper Proの主な特徴とスペック
  • 実際に使って感じたメリット・デメリット
  • マーカーやケースなどアクセサリの選び方
  • 長期間使用して変わった習慣や具体的な活用シーン
  • おすすめの購入先

本体の薄さと高級感が魅力

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なんといってもハードウェアの高級感がとても良い。

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フレームと背面はアルミニウム製で、フレームには滑らかな窪みがあります。

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ディスプレイは特殊加工されたガラス製で、カラー対応のE Ink Gallery™ 3を搭載。アンチグレアなディスプレイであるため、照明や日光下においてもギラつかず視認性は抜群。

11.8インチの大型ディスプレイで、A4ノートくらいの表示領域があります。ただ、ベゼルがあるため本体のサイズ自体はA4よりひとまわり大きいです。

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厚みは4.7mmで、タブレットとしてはかなり薄いです。ケースを付けるとそれなりに厚みは増すものの、リュックにすっぽり収まって気持ち良し。

アクセサリについて

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筆者が購入したアクセサリはMarker PlusBook Folioの2点。

Marker Plus

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まず、Markerは消しゴム機能があるものと無いもので2種類あって、MarkerとMarker Plusで分かれています。

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Marker Plusの使い勝手は概ね良好です。ただ、ペン先をひっくり返す動作が少し煩わしく、結果的に消しゴムはあまり使わなくなってしまいました。

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正直なところ、画面左側にある消しゴムツールに切り替えるか、Undo(やり直し)機能があるだけで十分だと思いました。

よって、Marker Plusは「紙の体験に最大限に近づけたい人」にはおすすめ。

必須なオプションとは言えず、標準のMarkerに+8,000円の追加料金がかかることも考慮して検討したいところです。

Book Folio

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そして2点目のFolioには、キーボード機能付きのType Folioとケース機能のみのBook Folioの2種類があります。

reMarkableは今のところ日本語に対応していない(詳細は後ほど)ため、日本語をメインに扱うユーザーにとってType Folioは不要です。

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Book Folioにはいくつか種類がある中、筆者はMosaic weaveのBasaltカラーを選びました。

布製でありながらも作りはしっかりしていて、耐久性には期待できます。ただ、毛羽立ちは少し目立ってきたかも。

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ペンを留めるためのホルダーがあったり、磁石で着脱できる点が便利で、特に頻繁に持ち運んで使う人におすすめしたいアクセサリーです。

ちなみに、筆者が選んだMosaic weave以外にも、Premium leather、Polymer weaveがあります。

使用感と機能

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書き心地に関しては、まったく文句なしです。

遅延も12msでほぼ感じず、書き味はまさに紙のよう。コントラストも十分で、カラーも意外と鮮やかに描写されます。

機能的な側面では、ファイルのタグ付け管理クラウド同期(Google Drive、OneDrive、Dropboxにも対応)、ePubやPDFの閲覧・書き込みなどがあります。

書くことにフォーカスされているので、エンタメな機能はありません。

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フロントライトも搭載されているので、暗所での作業も可能です。

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先述しましたが、日本語非対応であるため日本語のePubやファイル名は豆腐(▢)の表示になってしまうので、その点には注意。(開発者モードで日本語フォントを導入する方法があるようです。気になる方は検索してみてください。)

基本的には、日本語の記事や雑誌などをreMarkableで読みたい場合、ePubではなくPDFを転送する必要があります。

PDFでも日本語のファイル名は豆腐になりますが、ファイルの中身は問題ありません。

Web記事やPDFをreMarkableで読みたいときは、ブラウザの拡張機能「Read on reMarkable」を使えば2ステップで転送可能。これが本当に便利。

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転送したいページを開いて、拡張機能のアイコンをクリックし送信するだけで、すぐにreMarkable本体で読めるようになります。

筆者はたまにPDF版の新聞などをreMarkableで読みますが、ディスプレイの解像度も高いのでそこそこ読みやすいです。

文字が小さいときはピンチインで簡単に拡大できます。

他デバイスとの違いは「E Ink Gallery™ 3搭載」

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Kindle Scribeなどの他の電子ペーパータブレットとの違いは、最新のE Ink Gallery™ 3搭載していること。

電子ペーパータブレット市場では、今のところreMarkable Paper Pro以外には採用されていません。(近いうちに同ディスプレイを採用したKindleなどが出るかも)

描写にはやや遅れがみられますが、色表現は従来のディスプレイより自然で、色で線を引いたり情報を整理する人にとってはありがたい。

逆にいうなら、カラー表示が必要ない人にとっては少し過剰な製品かもしれません。

良いところ・気になるところ

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ここで、数ヵ月つかって見えてきた良いところ・気になるところを箇条書きでシェアします。

良いところ

  • 書くことに集中できる
  • 紙に近い書き心地で情報整理が容易
  • カラー対応で視覚的な整理も可能
  • フロントライトがある
  • OSアップデートがこまめ(1~3ヵ月くらいのペース)に配信される

気になるところ

  • カラー表示時のリフレッシュがやや遅い
  • 日本語に非対応
  • 本体が少し重い(525g)

reMarkable Paper Proはこんな人におすすめ

このタブレットは以下のような人に向いています。

  • 自然な書き心地のタブレットが欲しい
  • 書くことに集中したい
  • カラー表示が欲しい
  • 日ごろから紙を扱う

遅延や書き心地など細かな違いはありますが、モノクロのみ対応の電子ペーパーディスプレイは、カラー対応のものより選択肢が多いです。

「カラー表示いらないな…」という方は、reMarkable 2BooxKindle ScribeSupernoteなどのラインナップを検討してみてください。

長期使用で変わった習慣

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長い間使ってみて、筆者の習慣がどう変わったのかもシェアします。

ストレスの軽減

iPadやAndroidタブレットに比べて、アプリや通知がないため、余計な情報に振り回されることがほぼ無くなった。書くことや読むことに集中できるので、疲労感が減り、気持ちのリセットがしやすくなりました。

夜間の活用がラク

フロントライトがあるため、暗い場所での作業やPDFの閲覧も問題なくこなせます。目の負担を感じにくく、夜に目が冴えすぎてしまうこともあまりありません。

(フロントライトの色温度を変更できないのは惜しい)

手書きアイデアの質が向上

紙に近い書き心地ゆえ、頭の中で考えたことを素早く書き留めやすいです。後から色分けをしてアイデアを整理したり、メモをスクラップする工程もすべてデジタルでできるため、大量のメモを持ち歩く必要がなくなった。

日記を書く習慣がついた

何か思いついたらreMarkableのクイックシートを開いて、その瞬間にすぐ書き留められるので、「メモやノートを取り出して書く」のと大差ない体験です。

筆圧やペン先がリアルに近く、書いていて楽しいというのもポイント。

こうした小さな変化の積み重ねにより、タスク管理やアイデア整理が一段とスムーズになり、集中して思考を深める時間が増えました。紙と同じ感覚で使えて、しかもデジタルの利便性も享受できるのは大きな魅力。

具体的な活用シーン

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筆者は完全に私的な用途ですが、仕事や学校で使う人ならもっと活用できるのかなと思います。

具体的には、「大学の講義ノートとして使う」や「デザイナーなどの職業で手書きメモを多用する」方など。

ビジネスパーソンであれば「会議中にメモそのままPDFで共有・保存」したり。

reMarkableの画面をPCに投影する機能もあるので、プレゼンやブレインストーミングにも活用できそう。

書くことや読むことに集中できる電子ペーパーデバイスとして、非常に優秀です。

iPadやAndroidタブレットなどを仕事や勉強に使用している人は、reMarkableなどの電子ペーパータブレットをぜひ検討してみてほしいです。

購入は公式ストアがおすすめ

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Image: reMarkable

価格は99,800円からで、reMarkable公式サイトから購入できます。日本配送にも対応しており、日本円での決済が可能です。

香港から日本まではDHLで配送され、日本での配達は佐川急便などが対応しているそうです。筆者の場合、購入から配達までの所要日数は7日程度でした。

以上、参考になれば嬉しいです。

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Written by
ワタソン
Published on
2025-01-27