NuPhy Air75 V3レビュー。打鍵感、使いやすさに優れたロープロファイルキーボード

NuPhy Air75 V3レビュー。打鍵感、使いやすさに優れたロープロファイルキーボード

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ロープロファイルキーボードで「薄さ」と「打鍵感」がうまい具合に両立した「NuPhy Air75 V3」。ガスケット構造による落ち着いた“コトコト音”、4000mAhの長持ちバッテリー、ブラウザだけで配列を整えられるNuPhyIO 2.0。

この記事では、ゲームや仕事で実際に使ってみた上でのレビュー、実際の打鍵音もシェアしているのでぜひ参考にしていただきたい。

開封

今回はNuPhy公式サイトで予約購入し、発送から約1週間で届きました。梱包はいつも通り簡素で銀色のプチプチ袋に入った状態で届きますが、箱や本体へのダメージはありませんでした。

同梱物は本体、USBケーブル(約160cm)、2.4GHzドングル、予備のキーキャップ、キー&スイッチプーラー、ノブモジュール、交換ノブ2種、専用ドライバー、マニュアル。

本モデルはノブ取り付けに対応しており、ドライバーとモジュールはそのためのものです。

ちなみに、USBケーブルはC to CをUSB-Aに変換するアダプタが装着されていました。

初期セットアップは有線接続かドングルで即認識され、Bluetoothペアリングも簡単です。カスタマイズの必要がなければ、箱から出してそのまま使えます。

デザイン

本モデルはロープロの75%、ANSI-US配列モデルで、コンパクトながら矢印キーやFキーが備わっていてバランスが良いです。もちろん、JIS-日本語配列モデルもあります。

ケーストップの左右についているLEDライトは、接続状況やバッテリー残量を示すインジケーターの役割を持っています。

キーボード上面左にUSB-Cポートとドングル収納、上面右にWindows/Macと接続モード(2.4GHz・Bluetooth / 有線 / オフ)の切り替えスイッチがあります。

また、背面には鏡面仕上げでピカピカなウェイトと左右に2段階調整できるスタンドが搭載されています。

バックライトLEDは南向きです。柔らかい光が美しいですね。

ビルドクオリティ

NuPhyのキーボードではよく見られるのですが、ケースはアルミとABS樹脂のハイブリットになっています。トップがアルミニウムでボトムがABS樹脂という構成のおかげで、押下時のたわみはかなり少ない印象です。

ABS樹脂はやや透けていて、手触りはサラサラしています。バリなどもなく、全体的にかなり良好な質感です。

キーキャップ素材はダブルショット(2色形成タイプ)PBTなので、長期使用による印字剥げが発生しにくい点もナイス。ただ、1ヶ月くらいでテカリが発生してしまう点は少し残念でした。

背面のウェイトは歪みもなく綺麗で、お化粧直しができてしまいそうな程です。

スペック・仕様

NuPhy Air75 V3 の仕様は以下の通りです。

項目内容
レイアウト75%(ANSI/JIS)
スイッチLow‑profile nano(Red / Brown / Blush)
マウント方式ガスケットマウント
ホットスワップ対応(nano専用)
接続方式USB‑C有線 / 2.4GHz / Bluetooth 5.0
ポーリングレート有線・2.4GHz:1000Hz / Bluetooth:125Hz
バックライトRGB(南向き)
対応OSmacOS / Windows 他
素材トップ:アルミ / ボトム:ABS
キーキャップダブルショットPBT
サイズ・重量約319 × 129 × 13.2mm - 26.5mm / 約724g
タイピング角度4° / 8° / 10°
バッテリー4000mAh

nanoスイッチは前世代と「非互換」という点、JIS/ANSIでキー数が異なる点にご注意ください。

タイピング体験

いつも期待を裏切らないNuPhy、今回も最高な打鍵感でした。

私が購入したのはGateron Red nanoスイッチを搭載したもので、他にBrown nano、Blush nano(静音)があります。公式情報によると、Red nanoはリニアタイプで押下圧が45gf、トラベルが3.5mmとロープロスイッチにしてはやや長めです。

さて打鍵感ですが、ロープロファイルとは思えない、深めのストロークと「コトコト系」の落ち着いた打鍵音で、指が自然に運びます。

ガスケット構造+フォームで高域共振が低減されています。キーキャップはPBTでスイッチの素材はフルPOMという点も、良いサウンドに寄与している可能性がありそうです。底打ち時にはごく僅かな柔らかさを感じられるのですが、これもフォームが影響していると思います。

長時間のタイピングによる疲労感は、45gfの押下圧が程よいおかげでほぼ感じません。ただ、トラベルが短いスイッチを採用したキーボード(Lofreeとか)に慣れている方は、 違和感が出る可能性はありそうです。

実際のタイピング音は上の動画から。NuPhy Kick75のBlush nano スイッチとの比較も聞けます。(使用マイク: Shure MV7)

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カスタマイズ性

ノブが搭載されたキーボードはいくつもありますが、本モデルは「必要ならつけよ」というスタンスです。実際にノブモジュールを付けてみましょう。

右上あたりのキーキャップとスイッチを外していくと、モジュールが見えます。最初はキースイッチ向けのものがついているので、これを付属のドライバーで取り外していきます。

あとは付属のノブモジュールをはめてネジで固定し、お好みのノブを取り付ければ完了です。

ノブは2種付属していますが、NuPhy Air75 V3独自の形状なので、他メーカーのノブと付け替えることはできません。3Dプリンターを持っている方は、オリジナルのノブを作成するのも楽しいかも。

ドライバーで自在にカスタム

NuPhy製品のドライバは独自開発のNuPhyIOを採用していて、nuphy.ioにブラウザでアクセスするだけで様々なカスタマイズが行えます。

カスタマイズの自由度の高さはQMK/VIAには劣るものの、NuPhyIOは圧倒的な手軽さがミソです。

キーのリマップができるだけでなく、マクロやバックライトの調整、ファームウェアアップデートもここで行えます。

スリープまでの時間を1分単位で調整することも可能です。個人的にはこれがありがたい。Bluetooth接続時にスリープされると復帰までに5-7秒くらいかかるので、少し長めに設定しておきたいところ。

MacとWindowsでプロファイルが別れているのもポイントです。本体のスイッチ1つでそれぞれNuPhyIOでカスタマイズしたプロファイルで切り替えできます。

ちなみに、ノブは左回し/押す/右回しをそれぞれ好きな入力やアクションに割り当てることができます。

MacBookの上に置いて使える

このキーボードで特に気に入っているところは、MacBookの上に置いても内蔵キーボードと干渉しないようスタンドの位置が調整されている点。

最近MacBookで作業するときは外部ディスプレイを使わないので、本体の上にキーボードとリストレストを置いて作業しています。これが今のところ一番集中できる(気がする)セットアップです。

実際に試してはいませんが、MacBook以外でも同じキーピッチを採用したモデルであれば使えそうです。

FPSでの遅延(体感)

私はよくOverwatch 2を遊びます…とかそんなことどうでもいいですね。

接続は2.4GHz(1000Hz)と有線の両方で、体感では入力遅延に大差はありませんでした。ただ、Bluetoothの場合はやはり遅延を感じますし、ポーリングレートも125Hzに制限されるのでFPSゲームは厳しそうです。

比較対象は磁気式スイッチのNuPhy Air60 HEですが、打鍵の軽快さとリニアの安定感でAir75 V3でも十分戦えます。

というわけで、違和感なくOverwatchを楽しめました。7連敗でした。

バッテリー持ち、超優秀

バッテリーはライトOFF約1200時間 / ON約100時間 / 充電約5時間と、かなり強いです。

詳しい検証は行っていませんが、バックライトオフ、Bluetooth / 2.4GHz、1日4〜8時間の使用で2ヶ月以上使って100%→92%になりました。ロープロのキーボード、いや、ワイヤレスキーボード市場ではトップクラスのバッテリーだと思います。

公称1200時間が信用できる値とすると、一日6時間使い続けても200日持つことになります。半年に1度の充電で済むなら、劣化していくといえど不満はありません。

アクセサリ

今回はNuFolioというキーボードのケース兼タブレットスタンドになるものを購入しています。カラーはCitrus Flash。外側はサラサラとしたビニール素材、内側はフェルトっぽい感じ。汚れがついてしまうと取れにくそうです。

ケース両側は保護されていませんが、キーボードとケースは強いマグネットでくっついているので、基本的には横から滑り落ちることはないです。

ケースを展開することで最大13インチのタブレットを立てることができます。角度調整などはできませんが、キーボードと合わせてラップトップライクに使えるのがいいですね。

価格は29.95USD(約4,400円)です。

まとめ

薄くて軽いのに、打鍵感はしっかり。Air75 V3はロープロの弱点を感じさせない“心地よさ”と、無線でも長く使えるロングバッテリーが魅力です。NuPhyIOで配列やライティングを素早く整えられ、仕事用のMac/Windows切り替えもスムーズ。

結論として、薄さと打鍵感は両立。実用面は2.4GHz/有線なら十分、Bluetoothは3台まで登録できますが、復帰に少し時間がかかるのが難点です。それなりに重量はありますがバッテリーは長持ちですし、たまに持ち運んで仕事もゲームもしたい、という人には超おすすめです。

価格は28,600円(税込)です。

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