【高速】ハワイアン航空の「Starlink」機内Wi-Fiを試してみた

雲の上でも地上並みのインターネット速度を体験できる
Review
ワタソン
2024-12-31

SpaceX社が提供する衛星インターネットの「Starlink」。ハワイアン航空では、2024年からStarlinkを利用した機内Wi-Fiサービスを導入し、乗客に高速で安定したインターネット接続を提供しています。

日本からホノルル路線に使用されている機材「Airbus A330-200」にも搭載されたようなので、今回は実際に搭乗してStarlink 機内Wi-Fiを使ってみました。

接続が超簡単

https://res.craft.do/user/full/0901e99c-a9c1-e0fe-faed-386864a675ad/doc/48aa9fad-c671-4315-b638-ac36b2cb4d69/a41c0098-d732-4226-9338-fcc5e6d85a45

接続は本当に簡単でした。

離陸して30分後にスマホのWi-Fi設定を開いて、「Starlink WiFi on HawaiianAir」のSSIDをタップするだけです。登録や課金も不要なのは本当にありがたい。

さっそく速度チェック

まず最初にYouTubeやNetflixのストリーミングを試みたところ、動画を開いて間もなく再生が始まりました。

途切れることもなくスムーズに映像を楽しめます。これからハワイアン航空に搭乗する際は、YouTubeやNetflixの作品を事前にダウンロードする必要がなくなりそうです。

ここで、実際にダウンロード/アップロード速度を測定してみます。

https://res.craft.do/user/full/0901e99c-a9c1-e0fe-faed-386864a675ad/doc/48aa9fad-c671-4315-b638-ac36b2cb4d69/60154d9d-e2be-4d7a-8cf8-4a9edbfb6faa

今回使用したアプリはSpeedtest by Ookla。接続先は「SpaceX Starlink」と認識されています。

https://res.craft.do/user/full/0901e99c-a9c1-e0fe-faed-386864a675ad/doc/48aa9fad-c671-4315-b638-ac36b2cb4d69/99502534-542d-4182-82f4-973e3b7dbe0e

結果はダウンロードが約70Mbps、アップロードが21.7Mbpsとなりました。

2Kどころか、4K動画のストリーミングも問題なくできるほどの速度が出ています。衛星インターネットという特性上、天候や搭乗者数によって速度が変動する可能性はありますが、この日は概ね安定していました。

通話以外なら何でもできる

動画の視聴だけでなく、メールの送受信やSNSの更新もストレスなく行うことができ、ビジネス利用にも問題ありませんでした。

アップロード速度はやや遅めですが、ちょっとした写真や動画であれば無理なく送信できます。ただし、利用状況によっては速度制限がかかる可能性があるため、大量のデータ通信は控えた方が良いでしょう。

LINE通話については、通信速度の観点から問題なく利用できますが、ハワイアン航空では禁止されているため注意です。

従来の機内Wi-Fiとの違い

https://s3.amazonaws.com/cms.ipressroom.com/249/files/20241/65c4265b3d6332424adb7aae_Starlink+Terminal/Starlink+Terminal_mid.jpg
Image: Hawaiian Airlines

従来の機内Wi-FiとStarlink Wi-Fiは、どちらも衛星を活用している点では同じです。

両者の主な違いは2つあります。

  1. 衛星とアンテナの距離
  2. 衛星の数

まず、従来の機内Wi-Fiでは、高度約36,000kmの静止軌道衛星を使用している一方、Starlinkでは高度約550kmの低軌道衛星を使用しており、距離が大幅に短縮されているためです。

またStarlinkでは、複数の衛星を使用し、広い帯域幅を確保している点もその速さに寄与しているのです。

Starlink 機内 Wi-Fiが使える路線

https://res.craft.do/user/full/0901e99c-a9c1-e0fe-faed-386864a675ad/doc/48aa9fad-c671-4315-b638-ac36b2cb4d69/bde2e7e7-8435-4387-8ff4-3da70e88d2c1

執筆時点でStarlink 機内Wi-Fiが導入されている機材は、Airbus A330型機(24機)Airbus A321neo型機(18機)で、対象路線は以下の通りです。

日本発着路線

  • 成田~ホノルル線
  • 羽田~ホノルル線
  • 関西~ホノルル線
  • 福岡~ホノルル線

その他の地域

  • 米国本土路線
  • アジア路線
  • オセアニア路線

なお、短距離路線で使用されているBoeing 717型機には、導入する予定はないそうです。

高速な機内Wi-Fiがつかえる航空キャリア

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ちなみに、ハワイアン航空以外にも高速な機内Wi-Fiを提供しているキャリアがあります。

2024年10月から、JALが機内Wi-Fiサービスを強化したことで速度が向上し、動画ストリーミングも可能になったようです。

国外のキャリアでは、JetBlue(アメリカ)、Lufthansa(ドイツ)などが提供する機内Wi-Fiは、動画ストリーミングが行えるほど高速だそうです。

またカタール航空では、2025年以降から順次Starlinkが導入されるようです。

まとめ

Starlink機内Wi-Fiの優位性

  • 低軌道衛星(高度約550km)による低遅延・高速通信
  • 複数衛星による広帯域・安定接続
  • 登録やアプリも不要で簡単接続

実測パフォーマンス

  • ダウンロード速度:約70Mbps
  • アップロード速度:21.7Mbps
  • 4K動画ストリーミングにも対応

利用可能なサービス

  • 動画ストリーミング(YouTube、Netflixなど)
  • SNSやメール
  • 写真・動画の送受信

※LINE通話など音声通話は利用禁止

対応機材と路線

  • Airbus A330型機(24機)
  • Airbus A321neo型機(18機)
  • 日本発着全ホノルル路線で利用可能

ハワイアン航空のStarlink Wi-Fiは、従来の機内インターネットとは一線を画す革新的なサービスでした。今後、カタール航空など他社への導入も予定されており、航空機内のインターネット環境は大きく進化していくはずです。

Starlinkが搭載された飛行機に搭乗する機会があれば、ぜひ利用してみてください。

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Written by
ワタソン
Published on
2024-12-31