Andy Konwinski氏らによって創設されたPerplexity AI, Inc.が提供する生成AI「Perplexity」は、2024年3月に時価総額が10億ドルに到達し、現在も成長が続いています。
生成AIの代表格であるOpenAIのChatGPTと比較すると、Perplexityにはどのような特徴があるのか。本記事では、Perplexityの使い方やChatGPTとの違いを詳しく紹介します。モバイルの方は右下にもくじのボタンがあるので、ぜひご活用ください。
PerplexityとChatGPTの決定的な違い
どちらもチャット形式で質問して回答を得られるものですが、ChatGPTは学習した膨大なデータから文章の作成、要約、校正など様々なタスクを処理できます。
一方、Perplexityは最新情報に基づく検索特化型AIで、ユーザーの質問に関連するウェブページを自動で検索し、その情報を分析・統合することで、より詳細で最新の情報を含んだ回答を提供してくれます。
これにより、Perplexityは幅広い話題について、リアルタイムの情報を踏まえた回答が可能となっています。
また、ChatGPTを含む様々な言語モデルが、月額20ドルで使えるのも大きな特徴です。
Perplexityを選ぶメリットとデメリット
Perplexityの最大のメリットは、以下の6つの言語モデルから選択できることです。
- GPT-4o
- Claude 3 Opus
- Claude 3.5 Sonnet
- Sonar Large
- Sonar Huge
- Pro Search (Perplexity独自モデル)
検索特化型AIでありながら、文書画像の翻訳や料理名の認識、文章の要約や校正など、ChatGPTにできることの多くをカバーしています。
月額20ドル(約2,800円)で6つの言語モデルが使え、日常的なタスク処理から最新情報を交えた回答まで幅広く対応できる点が魅力です。
現時点でのデメリットは、音声機能がChatGPTほど優れていないことで、声や会話の自然さ、文字の発音で大きく劣ります。
今のところ日本語での音声機能は改善の余地がありそうです。
1. Perplexityの基本的な操作
スマホアプリ版はiOS/Androidで、ダウンロード後すぐに使用できます。アカウント登録せずにお試しで使うこともできますが、紹介リンクから登録すると10ドル分のクレジットがもらえます。(気が向いたらぜひ)
検索は画面下部の「何でも質問してください…」から行えます。
PC版はWebかChrome拡張機能でアクセスでき、画面中央の検索ボックスからテキストのみの質問であればアカウントなしでも検索できます。
また、スマホ版は音声入力にも対応しています。(読み上げ機能もありますが、回答はテキストのみ)
2. プロンプトのコツ
Perplexityはプロンプトを最小限に抑えるようデザインされているので、Googleで検索するときのように、単語を羅列するだけで結構です。
例えば「京都 3日間 旅行プラン」のようなプロンプトで的確な回答が返ってきます。
さらに詳細な回答が欲しい場合は、右下の「クエリを編集」からプロンプトを調整できます。
また、正確性は自身で確認する必要があるものの、情報の参考元も提示してくれるのも良い点です。
ちなみに、通常のモードではQuick Searchという状態なのですが、Pro Search機能を有効にすると、より高度な検索が可能です。
具体的には、1つのプロンプトを送信すると、プロンプトを段階的に分析して検索を行ってくれます。
よって、より精度の高い回答を得ることが期待できます。実際、Pro Searchを有効にすると回答の質が総合的に上がることを実感しています。
Pro Searchは無料プランにおいては4時間あたり5回まで利用できますが、有料プランのPerplexity Proでは1日300回以上利用できるようです。
3. 言語モデルの変更
画面右上の歯車アイコンから設定メニューを開き、"AIモデル"の項目で使用したい言語モデルを選択します。
言語モデルによって回答が大きく変わるので、文章やアイデアなどを生成したい時は、スレッド内の「書き直し」機能を使って、回答を比較してみましょう。
画像生成のモデルもPlayground v3、DALL-E 3、Stable Diffusion XL、FLUX.1から選択可能です。
スレッドの内容をもとに、プロンプトの生成まで行ってくれます。
4. Page機能
指定したトピックの記事を自動生成するPage機能は、画面左側メニューの"ページ"から利用できます。
ページのタイトルとトピック、言語モデル、トーンを入力して矢印を押すと、10秒程度で記事が完成します。
ちなみに、iOS版では新規ページを作成する項目が見当たらななかったので、上記のスクショはPC版です。(既存のスレッドをPage化することはiOSでもできました。)
実際に生成してみましたが、最初のセクション以外は英語になってしまいました。この点はアップデートでの改善を期待したいですね。
5. Collection機能
関連する検索結果をまとめて管理できるCollection機能は、ライブラリ右上の"コレクション"を選択し、右上のプラスアイコンから利用できます。
保存したコレクションはコレクションのタブから確認でき、関連検索結果の整理に役立ちます。
コレクションの全体に影響する”AIプロンプト”を入力することで、一貫性のある回答も得やすくなります。
ちなみに、ライブラリには、過去に質問したスレッドが自動で保存されていきます。不要になったスレッドは簡単に削除できますし、後からカテゴライズやPage化して整理することも可能です。
無料・有料プランの違い
Perplexity AIには無料プランと有料の「Perplexity Pro」プランがあり、機能に違いがあります。無料プランの内容は以下の通りです。
- 無制限の検索
- 4時間あたり5回までのPro Search
- 画像生成は利用不可
- ファイルのアップロードによる質問は不可
- 言語モデルの選択が利用できない(Perplexity AIの高速モデルのみ)
一方、Perplexity Proは月額20ドル(約2,800円)、年間プランは200ドルで、無料プランの機能に加えて以下の機能が利用できます。
- 一日300回以上のPro Search
- 画像生成
- アップロードしたファイルに対する質問(動画や音声を除く画像やテキストファイルなど)
- 最新のAI言語モデルへのアクセス ← これが大きい
- Chrome拡張機能の利用
有料版は最新のAI言語モデルに対応しており、利用制限がないため扱いやすいです。
ちょっとした検索で使う場合は無料プラン、画像の添付やPro Searchでより高度な回答を得たい場合は有料プランがおすすめです。
また、Web版の場合は月額20ドル(約2,800円)ですが、iOS版は3,000円、Android版は2,950円と価格が異なるので注意です。
ソフトバンクユーザーはProが1年間無料
2024年6月17日に、ソフトバンク株式会社がPerplexityとの提携を発表しました。
よって、ソフトバンク、ワイモバイル、LINEMOの3ブランドのユーザーは、Perplexity Proを1年間無料で利用できます。
英国コンシューマー・テクノロジー企業のNothingが、同社のスマートフォンPhone (2a)の予約特典に、Perplexity Proが提供されていたのも記憶に新しいです。
今後も様々なサービスと提携し、Perplexity Proを特典として提供される機会が増えるのではないかと思います。
まとめ
Perplexityは最新情報の検索に特化した強力な生成AIツールで、6つの言語モデルを用途に応じて使い分けられるのが魅力です。
ChatGPTにはない最新情報検索の機能を備えつつ、Page機能やCollection機能で情報整理もしやすくなっています。
月額20ドルという価格も魅力的で、日常的なタスク処理から情報のリサーチまで幅広く活用できるツールと言えます。
少しでも興味がありましたら、ぜひ下記リンクから試してみてください。